パイプカットのホンネ

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たとえば、通信販売の代金の振込先が個人名では、インチキくさい感じがするだろう。
個人名よりも会社名の方が見映えがいい。 だから、どんなに小さな商売であっても、会社組織が好まれる。
らに、出資者が複数いる場合、会社組織は、出資者同士の利害関係をクリアーにするという学生時代からの友人5人が100万円ずつ出し合って500万円の開業資金を用立てたとする。 もし、会社組織になっていなかったら、コーヒー豆の購入、光熱費の支払い、銀行口座の管理など、さまざまなカネの出入りは、すべて誰かの個人名で行われることになる。

そして、後から公平に費用を分担する。 一方、利益の配分に関しても、問題が起きることが考えられる。
仮に、5人の出資者のうち4人はサラリーマンで、ヒマな1人が店番を引き受けたとする。 彼は、出資者であり、同時に従業員でもある。
5人で話し合って決めた適当な報酬を従業員として受け取り、さらに、残った利益を5等分して出資者としての分け前をもらうことになるだろう。 従業員としての取り分は、喫茶店にとっては費用の一部である。
出資者としての取り分は、売上から費用を差し引いた利益を5等分したものである。 つまり、彼は、この喫茶店にとっては1人で2つの役割を持つことになる。
そういう作業がいかに面倒かは、グループ旅行の費用の精算などを想像してみればわかる。 領収書をすべて保存して、誰がいつ何を買ったか記録しておかなければ、公平な費用の分担はできない。
一泊二日の旅行の精算程度であれば、多少いい加減でもかまわない。 しかし、長期間にわたって何百万円というカネが動き続ける喫茶店の共同経営では、そうはいかない。
「会社」という共通の財布をあらかじめ作っておかない限り、公平な費用の分担は不可能で、後から喧嘩になるに決まっている。 従業員と出資者の利害関係は、必ずしも一致しない。

特に、従業員の取り分が事前に決められている場合は、鋭く対立する。 まず、従業員は、いくら一生懸命働いて売上が増えても、出資者の取り分が増えるだけで自分の取り分は増えない。
それなら、当然、潰れない程度に手を抜こうと考える。 ところが、この喫茶店の例のように、従業員が同時に出資者であれば、一生懸命働く意欲が生まれる。
これを現実の企業経営に応用したのがストック・オプション制度である。 ストック・オプションは、自社株をあらかじめ決められた価格で買うことのできる権利である。

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